「自宅サーバーを作ってみたいけど、そもそも何に使えるの?」
「サーバーってWebサイトを公開するためのものじゃないの?」
自宅サーバーに興味はあっても、実際に何ができるのかイメージしにくい人も多いのではないでしょうか。
実は自宅サーバーが1台あると、写真や動画の保存、ファイル共有、広告ブロック、ゲームサーバーなど、いろいろなことができます。
しかも最近では、Raspberry Piや省電力なミニPCでも十分に自宅サーバーを構築できます。
この記事では、初心者でも挑戦しやすいものを中心に、自宅サーバーでできること10選を紹介します。
「自宅サーバーを作ったら何をしよう?」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
自宅サーバーとは?
自宅サーバーとは、その名前の通り自宅に設置して使用するサーバーのことです。
「サーバー」というと、データセンターに並んでいる巨大なコンピューターを想像するかもしれません。
しかし、必ずしも特別なコンピューターが必要なわけではありません。
普通のデスクトップPCやノートPC、ミニPC、Raspberry Piなどをサーバーとして使用することもできます。
例えば、
- 写真を保存する
- 家族でファイルを共有する
- 動画を見る
- Webサイトを公開する
- ゲームのマルチプレイ用サーバーを立てる
といったサービスを自宅のPCから提供できます。
最近ではDockerを利用することで、さまざまなサービスを比較的簡単に導入できるようになりました。
それでは、自宅サーバーで具体的に何ができるのか見ていきましょう。
1. NASとしてファイルを保存・共有する
自宅サーバーの定番用途のひとつがNAS(Network Attached Storage)です。
簡単にいうと、
「ネットワーク経由でアクセスできる大容量ストレージ」
です。
普通の外付けHDDの場合、そのHDDを接続しているPCからしか基本的には利用できません。
一方NASなら、自宅のLANに接続している複数の端末からアクセスできます。
例えば、
Windows PC → NAS
Mac → NAS
スマートフォン → NAS
といった使い方ができます。
写真、動画、大学や仕事の資料などを1か所にまとめて保存しておけば、端末ごとに同じデータを保存する必要もありません。
自宅サーバーに大容量HDDを搭載しておけば、かなり便利なファイル置き場になります。
こんな人におすすめ
- 複数のPCを使っている
- 写真や動画が大量にある
- 家族でファイルを共有したい
- 外付けHDDが増えすぎて困っている
自宅サーバーを初めて作るなら、まずNASとして使ってみるのもおすすめです。
大量に保存したいデータがある場合は数TBクラスのNAS向けHDDがあると便利です。
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2. 自分専用のGoogleフォトを作る
スマートフォンで写真をたくさん撮る人におすすめなのがImmichです。
Immichは、自宅サーバーに写真や動画を保存・管理できるオープンソースのソフトウェアです。
見た目や使い方はGoogleフォトに近く、
- スマートフォンから写真を自動バックアップ
- 撮影日時で写真を整理
- 地図から写真を探す
- 顔認識
- 写真検索
- アルバム作成
などの機能があります。
スマートフォン用アプリもあるため、普段は普通のクラウド写真サービスのように利用できます。
大きな違いは、
写真の保存先が自分のサーバーであること。
例えば4TBや8TBのHDDを自宅サーバーに搭載すれば、その容量を写真保存用として利用できます。
筆者も実際にImmichを自宅サーバーへ導入しています。

写真を大量に撮る人には、かなり面白い自宅サーバー活用方法です。
3. 自分専用のクラウドストレージを作る
Google DriveやDropboxのようなオンラインストレージも、自宅サーバーで構築できます。
代表的なのがNextcloudです。
Nextcloudを導入すると、ブラウザからファイルをアップロード・ダウンロードできるようになります。
さらに専用アプリを利用すれば、PCやスマートフォンとのファイル同期も可能です。
つまり、
「自分専用Google Drive」
のような環境を作れます。
容量も自分で決められるため、HDDを追加すれば数TBクラスのクラウドストレージを作ることもできます。
ただし、自宅の外から利用する場合は、VPNなどを使って安全にアクセスできる環境を整える必要があります。
4. 動画・音楽配信サーバーを作る
映画や音楽をたくさん保存しているなら、メディアサーバーとして利用するのもおすすめです。
代表的なソフトウェアには、
- Jellyfin
- Plex
などがあります。
動画ファイルをサーバーへ保存しておけば、テレビ、PC、スマートフォンなどからネットワーク経由で再生できます。
Jellyfinなら、
「自分で所有している映像ファイルを、自分専用の動画配信サービスのような画面で管理する」
といった使い方ができます。
タイトルやサムネイルなども表示できるため、大量の映像ファイルをフォルダから直接探すより見やすくなります。
ただし、高画質動画をリアルタイムで変換(トランスコード)する場合は、それなりのCPU性能が必要になります。
メディアサーバーを本格的に使いたい場合は、Raspberry PiよりミニPCなどを選ぶのもよいでしょう。

5. Minecraftなどのゲームサーバーを立てる
自宅サーバーはゲームにも使えます。
特に有名なのがMinecraftサーバーです。
Minecraftでは、自分でマルチプレイ用サーバーを立てることができます。
サーバーを24時間稼働させておけば、自分のPCでゲームを起動していなくても、サーバー自体は動かし続けられます。
友人や家族と専用ワールドを作るのも面白いでしょう。
ただし、外部の人を自宅サーバーへ接続させる場合は、ネットワーク設定やセキュリティについて理解しておく必要があります。
6. 広告ブロックサーバーを作る
ちょっと変わった使い方として、Pi-holeがあります。
Pi-holeはネットワーク上でDNSを利用して、広告やトラッキング用ドメインへの通信をブロックするソフトウェアです。
ブラウザに広告ブロック用拡張機能をインストールする方法とは違い、ネットワーク側で処理できるのが特徴です。
そのため設定次第では、
- PC
- スマートフォン
- タブレット
- スマートTV
など複数の端末に対してまとめて適用できます。
ただし、すべての広告を消せるわけではありません。
YouTubeのように、コンテンツと広告が同じドメインなどから配信されるサービスでは、Pi-holeだけで広告をブロックするのは困難です。
それでも「自宅ネットワークでどんな通信が発生しているのか」を知る教材としても面白いソフトウェアです。
7. スマートホームの管理サーバーにする
自宅にスマート家電が増えてきたら、Home Assistantを動かすのも面白いでしょう。
Home Assistantは、さまざまなスマートホーム機器をまとめて管理できるオープンソースのプラットフォームです。
例えば、
- スマートライト
- 温湿度センサー
- スマートプラグ
- 人感センサー
- スマートロック
などを組み合わせて自動化できます。
例えば、
「人感センサーが反応したら照明をON」
「部屋の温度が一定以上になったら通知」
といった設定もできます。
Raspberry Piでも動作させられるので、電子工作が好きな人にもおすすめです。
ESP32などで自作したセンサーと組み合わせると、さらに遊び方が広がります。
8. Webサーバーを作る
もちろん、本来のサーバーらしくWebサイトを公開することもできます。
ApacheやNginxなどのWebサーバーソフトウェアを使えば、自宅のPCからWebページを配信できます。
例えば、
- HTML/CSSの勉強
- WordPressのテスト
- Webアプリ開発
- 自宅LAN内だけで使う管理画面
などに利用できます。
いきなりインターネットへ公開しなくても、
自宅LAN内だけでWebサーバーを動かしてみる
だけなら、初心者でも挑戦しやすいでしょう。
Webサーバーを構築すると、
「IPアドレスとは?」
「ポート番号とは?」
「DNSとは?」
といったネットワークの仕組みも実際に触りながら理解できます。
9. VPNサーバーとして使う
自宅サーバーを外出先から利用したい場合に便利なのがVPNです。
VPNを利用すると、外出先のスマートフォンやノートPCから、自宅ネットワークへ安全に接続できます。
例えば旅行先から、
スマートフォン
↓
インターネット
↓
VPN
↓
自宅サーバー
という形でアクセスできます。
最近ではTailscaleを使うことで、従来より簡単にVPN環境を構築できます。
TailscaleはWireGuardをベースにしており、面倒なポート開放をせずに端末同士を接続できるケースもあります。
ImmichやNASなどを「家の中だけではなく外出先でも使いたい」という場合にも便利です。
自宅サーバーを作ったら、ぜひ覚えておきたい仕組みです。
10. プログラミング・Linuxの勉強環境にする
個人的に自宅サーバーの大きなメリットだと思うのが、勉強用として使えることです。
自宅サーバーを構築していると、自然と、
- Linux
- Ubuntu
- SSH
- IPアドレス
- DNS
- Docker
- VPN
- RAID
- ファイル共有
- ネットワーク
- セキュリティ
などに触れることになります。
本を読んで覚えるだけでは分かりにくい内容でも、
実際にサーバーを作って失敗しながら覚える
と、仕組みをかなり理解しやすくなります。
例えば、
「SSHって何?」
と思っていたものが、
「別のPCからサーバーを操作するために必要なのか!」
と実際の用途と結びつきます。
サーバー構築そのものを目的にするのではなく、Linuxやネットワークを勉強するために自宅サーバーを作るのもおすすめです。
初心者なら何から始めるのがおすすめ?
ここまで10種類紹介しましたが、
「結局、最初は何を作ればいいの?」
と思うかもしれません。
個人的には、
① Ubuntu Serverをインストール
↓
② SSHで別のPCから操作
↓
③ Dockerをインストール
↓
④ NASやImmichなど興味のあるサービスを動かす
という順番がおすすめです。
最初からインターネットへサーバーを公開する必要はありません。
まずは自宅LAN内だけで使えるサーバーを作ってみると、安全にいろいろ試せます。
慣れてきたらTailscaleなどを利用して、外出先からアクセスできるようにしてみるとよいでしょう。
自宅サーバーにはどんなPCが必要?
自宅サーバーというと、高価なサーバー用コンピューターが必要に思えるかもしれません。
しかし、個人用途ならそれほど高性能なPCは必要ない場合も多いです。
例えば、
Raspberry Pi
小型・省電力。Linuxやサーバーの勉強にもおすすめ。
ミニPC
小さいのに性能が高く、消費電力も比較的少ないため24時間運用しやすい。
中古PC
安く入手できるのが魅力。余っているPCなら初期費用0円で始められることも。
自作PC
HDDを大量に搭載したい場合や、高性能なサーバーを作りたい場合に向いています。
自宅サーバーは24時間稼働させることも多いため、性能だけでなく消費電力も重要です。
高性能なデスクトップPCを24時間動かすより、省電力なミニPCの方が用途によっては適していることもあります。
→ 【関連記事:自宅サーバー用PCは何がいい?ミニPC・中古PC・Raspberry Piを比較】
自宅サーバーを作るときの注意点
自宅サーバーは自由度が高い反面、自分で管理する必要があります。
特に注意したいのが、
- セキュリティアップデート
- パスワード管理
- データのバックアップ
- HDDやSSDの故障
- 消費電力
- 外部公開時のセキュリティ
です。
特に大切な写真やファイルを保存する場合、
「自宅サーバーに保存したから安心」ではありません。
HDDは故障する可能性があります。
重要なデータは自宅サーバーとは別のHDDやクラウドなどにもバックアップしておきましょう。
バックアップ用なら、サーバー本体とは別にUSB接続の外付けHDDを用意しておく方法もあります。
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また、初心者のうちはサーバーの管理画面などを安易にインターネットへ直接公開せず、まずはLAN内で利用するか、VPNなど安全なアクセス方法を利用することをおすすめします。
まとめ
今回は自宅サーバーでできること10選を紹介しました。
自宅サーバーがあると、
- NASとしてファイル共有
- Immichで写真管理
- Nextcloudでクラウドストレージ
- Jellyfinなどで動画・音楽配信
- Minecraftなどのゲームサーバー
- Pi-holeで広告・トラッカー対策
- Home Assistantでスマートホーム
- Webサーバー
- VPN
- Linux・ネットワークの勉強
など、さまざまなことができます。
「サーバー」と聞くと難しく感じますが、最初からすべて理解する必要はありません。
余っているPCやRaspberry Piがあれば、まずUbuntu Serverなどをインストールして、自宅LAN内で動かしてみるだけでも十分です。
そこからNASを作ったり、Dockerを使ったり、Immichを導入したりすると、できることがどんどん増えていきます。
自宅サーバーは実用的なのはもちろんですが、PC・Linux・ネットワークの仕組みを実際に触りながら学べるのも大きな魅力です。
眠っているPCがあるなら、自宅サーバーとして再利用してみてはいかがでしょうか。




